読みました。「小さな幸せ46個」(よしもとばなな)
「小さな幸せ46個」(よしもとばなな)
振り返るとあたたかい思い出が、日常の幸せを創ってるのだなぁと改めて思うきっかけになります。この本は、ばななさんがご両親を亡くされた年に連載されていたコラムだそうです。山田詠美の「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」を読んだあとにこれを読むと、切なくなります。
この中で一番好きなのは、引越し後、環境になれない動物達のために、だんなさんがひとりで引越し前の部屋に寝にいく話です。動物達は、ぼーっとしているようでもとても鋭敏に人の動きや音、気配を察知していて、だんなさんが寝ると、犬も猫もみんな集まってきてキャンプみたいに一緒に寝るのだそう。
それって、おそらく人間もそうなのですよね。誰かを失ったときに感じる寂しさは、そんな動物的な勘にひっかかる気配のなさなんじゃないかな。